保健医療サービス分野
介護技術の展開
食事
食事及び嚥下困難尾介護の視点
1 できるだけ自分で食べられるように援助すること
2 口から食べられるように工夫すること
3 心理的、社会的、文化的欲求が満たされるように援助する。
食事摂取の過程と加齢・障害による問題点
1 食欲:味覚、嗅覚、視覚の低下
2 摂食:上肢の障害、麻痺関節のこわばり・震え・握力低下
3 咀嚼:歯の欠損
4 嚥下:嚥下反射の低下
5 消化・収集:消化管の委縮性変化、消化液の分泌の低下
6 排泄:腸管の蠕動運動の減弱
食事介護上のアセスメント
1 食事摂取量
2 食欲
3 摂食動作
4 咀嚼・嚥下機能
5 歯・口腔問題
6 精神的問題(うつ等)
7 介護不足
誤嚥防止のための介護技術
好ましい食品:プリン状、ゼリー状、マッシュ状、とろろ状、粥状、ポタージュ類、乳化状、ミンチ状など。
嚥下困難を誘発しやすい食品:スポンジ状(カステラ)、練り製品(かまぼこ類)、ワカメ、ノリ、コンニャクなど。
食事を摂る姿勢は、できるだけ椅子に座らせ、頭部と体幹をわずかに前傾させる。
排泄
高齢者は、加齢に伴い、失禁、頻尿、排尿困難、尿閉、便秘、下痢といった排尿障害を起こしやすい。
排尿障害の種類と尿失禁
1 腹圧性尿失禁:笑った時、咳をした時など、お腹に力が入ると漏らしやすい。
2 切迫性尿失禁:尿意を我慢できず、トイレに間に合わずに漏らしてしまう。
3 反射性尿失禁:脊髄損傷があると、本人の意思に関係なく反射的に尿が出てしまう。
4 溢流性尿失禁:前立腺肥大等で尿が排出されない場合、たらたらと漏れ出てくる。
5 機能性尿失禁:身体障害や認知症で排泄動作が適切にできないために失禁が起こる。
便秘、下痢、便失禁等
加齢に伴い、腸管の蠕動運動が低下する。
排便反射の低下、運動不足も便秘を助長する。
便秘の中で最も多くみられるのが、習慣性便秘である。
下痢は、85%以上の水分を含む水様便が排出されることをいう。
高齢者に多い下痢は、消化性下痢である。
高齢者は、肛門括約筋が弛緩していることに伴い、便失禁が起こりやすい。
排泄介護の実際
おむつを容易に着用させることは、戒めるべきである。
尿失禁への適切な対応は、尿失禁の正しいアセスメントに始まる。
24時間にわたる時間ごとの排尿チェック、尿意の有無、排尿間隔、尿量、排尿の自制、自発的排尿、失禁のきっかけや状況、失禁した場所、失禁後の気づき方などを把握する。
褥瘡
褥瘡は、いったん出来てしまうとなかなか治りにくい。
発生要因
体重による圧迫、皮膚の不潔や湿潤、皮膚の摩擦、栄養不良
褥瘡のできやすい人
・麻痺などのため自分で寝返りが出来ない人、腰を上がられない人、動かせない人
・認知症などのため自分で動こうとしない人
・痩せている人
・尿・便の失禁がある人
・絵異常状態が悪く末期状態にある人
予防対策
⓵体位変換:原則として2時間ごとに体位変換をする(除圧)。
⓶身体の清潔:入浴は、皮膚を清潔にし、血液の循環を良くする。
⓷寝衣・寝具:常に清潔で乾燥した状態を保つ。
⓸排泄:失禁対策が重要。
⓹栄養:高蛋白、高カロリー、高ビタミンの栄養補給に努める。
⓺予防用具:体圧の分散、皮膚の摩擦を和らげる(エアマット、ムートン等)
睡眠
睡眠のリズムは、成長・発達・加齢によって変化をみせる。
高齢になると、夜は早く寝るが睡眠が浅く、早期に覚醒し昼間は居眠りが多くなる。
不眠の原因
⓵日中の活動不足
⓶昼間の居眠り
⓷夜間頻尿による頻回の覚醒
⓸腰痛・関節痛などの疼痛、皮膚の掻痒による入眠困難や覚醒
⓹夜間の不安感の増強
⓺疾患からくる不眠(高血圧症、認知症、うつ病等)
安眠の対策
入浴は、就眠を誘う上で効果がある。
就眠前の儀式をきちんと行う。
コーヒー等精神の興奮を促す飲み物は避ける。
就寝前にテレビや読書などによる刺激を避ける。
就寝前に室温の調整や騒音の排除をする。
寝具は、清潔で乾燥したものを用意する。
日中に体を動かして活動を十分に行う。
規則的なリズムのある生活パターンを作る。
睡眠薬の服用は虚脱や歩行障害等の副作用が起こりやすいため、要観察。
睡眠薬の乱用は、不眠の原因となる。
清潔
全身を清潔にする方法には、入浴、シャワー浴、清拭がある。
相手の状態に合わせて随時方法を選択する。
清拭の時は、身体の抹消から中枢へ。
皮膚の抗菌作用を保持するため、弱酸性石鹸を使用する。
口腔ケア
口腔には4つの大きな機能があり、咀嚼・嚥下・発音・呼吸である。
口腔ケアを行うことにより、健康を保持増進し、生命の質を高めることが可能となる。
加齢に伴う口腔の変化
口腔粘膜の萎縮、歯槽骨の吸収、唾液分泌機能の低下、咀嚼筋の筋肉低下
歯間の隙間がおおきくなり、食物や歯垢が残りやすくなり、虫歯や歯間疾患にかかりやすくなる
口腔ケアの方法
歯ブラシなどを使用する機械的清掃法
薬剤を使用する科学的清掃法
薬剤を使用するよりも歯ブラシ等を使用するブラッシングの方が効果が高いので、可能な限り、歯ブラシによる清掃を優先すべきである。
義歯の手入れ方法
ブリッジは、取り外しができないため、自分の歯と同様に歯ブラシを使って磨く。
部分入れ歯は、固定するバネを外して義歯を外す。
総入れ歯は、義歯用歯ブラシで流水下で丁寧に磨く。
介護技術の展開 過去問まとめ
この一発合格ノートは、私が勉強した時のものを要約したものを掲載しています。2008年の10月のケアマネ試験に一発合格するために作ったものです。従って、法改正などで内容が変更になっている部分もあると思いますので、各自の責任で参考にしてみてください。
高齢者の場合、味覚の低下の原因としては、薬剤の副作用、口腔乾燥、口腔真菌症などが多い。
高齢者は、加齢に伴い唾液分泌機能が低下する。
嚥下障害は、誤嚥を起こすもととなり、誤嚥性肺炎の原因ともなる。
過剰な投薬は、食欲不振を招くことがある。
味覚、嗅覚、視覚の感覚の低下は、食欲不振をもたらしやすい。
カステラは、嚥下困難を誘発する食品である。
食事を摂る姿勢は、できるだけ座位にして、頭部と体幹をわずかに前傾させる。
嚥下食を食べているときは、脱水や便秘になりやすい。
繊維性食品は、便秘の予防になる。
下痢の時は、脂肪を控え、十分な水分補給をする。
低蛋白や低カロリー、低ビタミンなどの栄養状態の不良は褥瘡の原因となる。
褥瘡の予防には、圧迫、不潔、湿潤を取り除き、栄養状態を改善する。
夜間の頻尿が不眠の原因となることが多い。
高齢者が睡眠薬を服用する場合には、虚脱や歩行障害等の副作用が現れやすい。
歯の嚙み合わせは、咀嚼だけでなく、嚥下機能や全身の筋肉、姿勢の制御にまで大きく影響がある。
口腔内の清掃は、科学的清掃法より機械的清掃法が効果的でsる。
口腔ケアは、毎食後の実施が原則であるが、どうしても1日1回しか行えない場合は、夕食後に行う。
義歯の清掃は、少なくとも1日1回は行う。
義歯の清掃は、歯ブラシを用いて流水で行う。
“ケアマネ試験2019年 一発合格ノート「介護技術の展開とは?」” への2件の返信