介護福祉士国家試験 介護の基本=試験科目別出題基準と過去問分析
Fさん(72歳、女性、要介護2)は、中等度の認知症(dementia)があり、自宅で夫と生活している。ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると、夫が散乱したコーヒー豆を片づけていた。Fさんは、「わからなくなっちゃった」と言っていた。訪問介護員(ホームヘルパー)が夫に事情を聞くと、「今も日課でコーヒーを豆から挽いて入れてくれるんだが、最近は失敗することが多くなって、失敗すると自信を失ってしまうしね。でも、毎朝、『コーヒーを入れなくちゃ』と言うんだ」と寂しそうに話した。 |
訪問介護員(ホームヘルパー)の夫への助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 「そばにいて、Fさんと一緒にコーヒーを入れてはどうですか」 2 「Fさんと一緒に、喫茶店にコーヒーを飲みに行ってはどうですか」 3 「おいしいコーヒーを買ってきて二人で飲んではどうですか」 4 「私がFさんからコーヒーの入れ方を教えてもらいましょうか」 5 「新しいコーヒーメーカーを買ってはどうですか」 |
Gさん(80歳、女性、要介護3)は、脳卒中(stoke)の後遺症により左片麻痺があり、からだを思うようにコントロールができず、ふらつきが見られる。以前は、2週間に一度は美容院で長い髪をセットしてもらい、俳句教室に行くのを楽しみにしていた。病気になってからは落ち込むことが増え、介護が必要になったため、介護老人福祉施設に入所した。 |
ノーマライゼーション(normalization)の考え方を踏まえた、Gさんへの生活支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 洗髪しやすいように、長い髪のカットを勧める。 2 共同生活のため、夕食は施設の時間に合わせてもらう。 3 落ち込んでいるため、居室での生活を中心に過ごしてもらう。 4 おしゃれをして、施設の俳句クラブに参加するように勧める。 5 転倒予防のため、車いすを使用してもらう。 |
ICF(International Classification of Functioning,Disability and Health:国際生活機能分類)の視点に基づく環境因子と心身機能の関連を表す記述として、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 電気スタンドをつけて、読書を楽しむ。 2 車いすを使用して、美術館に行く。 3 聴力が低下すると、コミュニケーションがうまくとれない。 4 ストレスが溜まると、活力が低下する。 5 床面の性状が柔らかいと、バランスを崩す。 |
Hさん(80歳、女性、要介護1)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)である。20年前に夫が亡くなった後は、ずっと一人暮らしをしている。これまでの生活を続けていきたいので、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することにした。 |
訪問介護員(ホームヘルパー)のHさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 Hさんの意向を確認して、今までどおり畳で布団の使用を継続した。 2 入浴後、手ぬぐいで体を拭いていたが、バスタオルに変更した。 3 訪問介護員(ホームヘルパー)の判断で、食事の前にエプロンをつけた。 4 整理整頓のために、壁に立てかけてあった掃除機を押し入れに片づけた。 5 Hさんの気持ちを切り替えるために、家具の配置を換えた。 |
「平成30年版高齢社会白書」(内閣府)で示された65歳以上の者の家庭内事故の発生割合が最も高い場所(屋内)として、 |
正しいものを1つ選びなさい。 |
1 階段 2 台所・食堂 3 風呂場 4 トイレ 5 居室 |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)での介護に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 テレビのニュースを見て、新しい出来事を覚えてもらう。 2 利用者それぞれの要求には応えられないので、同じ日課で過ごしてもらう。 3 利用者の、現在よりも過去の身体的・精神的状態の把握が優先される。 4 利用者の、なじみのある人や店との関係は継続していく。 5 環境に慣れるまでは、車いすでの移動を勧める。 |
訪問介護事業所のサービス提供責任者の役割に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 利用者の生活課題に沿って、居宅サービス計画書を作成する。 2 具体的な援助目標及び援助内容を記載した訪問介護計画書を作成する。 3 利用者の要望に応じて、他の事業所との利用調整を行う。 4 判断能力が十分でない人に対して、日常的な金銭管理を行う。 5 居宅サービス事業者を招集して、サービス担当者会議を開催する。 |
介護の実践における多職種連携に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 医師が他職種連携の中心となる介護実践のことである。 2 民生委員やボランティアは、多職種連携のチームから除かれる。 3 医療と介護の連携とは、利用者の体調不良時に医療機関を受診させることを指す。 4 要介護度の改善を優先して、他職種連携によるケアプランを作成する。 5 利用者のケアの方向性に関する情報を共有して、課題の解決に取り組む。 |
介護福祉職の倫理に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 介護の技術が伴わなくても、利用者の要望を最優先に実施した。 2 利用者が求めた医行為は、実施が可能である。 3 個人情報の取扱いについて、利用者に説明して同意を得た。 4 暴力をふるう利用者を自室から出られないようにした。 5 業務が忙しかったので、施設の廊下で職員同士の打合せを行った。 |
高齢者介護施設で、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の保菌者が確認されたときの対応に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 入所者全員の保菌の有無を調べる。 2 接触感染予防策を実施する。 3 保菌者のレクリエーションへの参加を制限する。 4 保菌者は最初に入浴する。 5 通常用いられる消毒薬は無効である。 |
2012年度(平成24年度)「高齢者の健康に関する意識調査結果」(内閣府)の介護を受けたい場所に関する次の選択肢のうち、 |
最も多かったものを1つ選びなさい。 |
1 「子どもの家で介護してほしい」 2 「介護老人福祉施設に入所したい」 3 「自宅で介護してほしい」 4 「病院などの医療機関に入院したい」 5 「民間の有料老人ホームなどを利用したい」 |
社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の義務として、 |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 家族介護者の介護離職の防止 2 医学的管理 3 日常生活への適応のために必要な訓練 4 福祉サービス関係者等との連携 5 子育て支援 |
茶道の師範だったFさん(87歳、女性、要介護3)は、70歳の時に夫を亡くし、それ以降は一人暮らしを続けていた。79歳の頃、定期的に実家を訪ねていた長男が、物忘れが目立つようになった母親に気づいた。精神科を受診したところ、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。昨年から小規模多機能型居宅介護を利用しているが、最近は、宿泊サービスの利用が次第に多くなってきている。Fさんは来所しても寝ていることが多く、以前に比べると表情の乏しい時間が増えてきている。 |
介護福祉職がFさんの生活を支えるための介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 Fさんが安心して暮らせるように、長男に施設入所を勧める。 2 夜間に熟睡できるよう、日中は宿泊室に入らないように説明する。 3 長く茶道を続けてきたので、水分補給は緑茶に変更する。 4 心を落ち着かせるために、読書を勧める。 5 茶道の師範だったので、お茶のたて方を話題にする。 |
Gさん(68歳、女性、要介護2)は、小学校の教員として定年まで働いた。Gさんは. 3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。夫は既に亡くなっており、長男(30歳)と一緒に暮らしている。週に2回通所介護(デイサービス)に通い、レクリエーションでは歌の伴奏をよくしている。その他の日は、近所の人や民生委員、小学校の教え子たちがGさん宅を訪問し、話し相手になっている。最近、Gさんは食事をとることを忘れていたり、トイレの場所がわからず失敗したりすることが多くなった。 |
介護福祉職が, Gさんの現状をアセスメント(assessment)した内容と、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health : 国際生活機能分類)の構成要素の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は、「心身機能・身体構造」にあたる。 2 レクリエーションで歌の伴奏をすることは、「参加」にあたる。 3 近所の人や民生委員、小学校の教え子は、「個人因子」にあたる。 4 小学校の教員をしていたことは、「環境因子」にあたる。 5 トイレの場所がわからなくなることは、「健康状態」にあたる。 |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 このサービスのオペレーターは、サービス提供責任者のことである。 2 利用者の状態の変化に応じて、随時訪問サービスを利用することができる。 3 介護・看護一体型では、訪問看護サービスを利用しても介護報酬は同一分ある。 4 日常生活上の緊急時の対応は行っていない。 5 要支援者、要介護者のどちらも利用できる。 |
防災に関する次の図記号が意味している内容として、 |
正しいものを1つ選びなさい。 |
1 避難所 2 避難場所 3 土石流注意 4 地滑り注意 5 津波注意 |
介護福祉職の職務上の倫理に関する次の記述のうち、 |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 おむつ交換をスムーズに行うために、利用者の居室(個室)のドアを開けておいた。 2 訪問介護(ホームヘルプサービス)中に携帯電話が鳴ったので、電話で話しながら介護した。 3 ベッドから転落した利用者が「大丈夫」と言ったので、そのままベッドに寝かせた。 4 利用者から、入院している他の利用者の病状を聞かれたが話さなかった。 5 利用者が車いすから立ち上がらないように、腰ベルトをつけた。 |
施設の介護における安全の確保に関する次の記述のうち, |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 職員に対して安全に関する研修を定期的に行う。 2 施設管理者の安全を第一に考える。 3 利用者の社会的な活動を制限する。 4 利用者に画一的なサービスを提供する。 5 安全対策は事故後に行う。 |
介護老人福祉施設の感染対策に関する次の記述のうち, |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 感染対策のための委員会を開催することは任意である。 2 手洗いは,消毒液に手を浸して行う。 3 洗面所のタオルは共用にする。 4 入所者の健康状態の異常を発見したら,すぐに生活相談員に報告する。 5 おむつ交換は,使い捨て手袋を着用して行うことが基本である。 |
燃え尽き症候群(バーンアウト(burnout))の特徴として、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 首から肩、腕にかけて凝りや痛みが生じる。 2 人格・行動変化や失語がみられる。 3 無気力感、疲労感や無感動がみられる。 4 身体機能の低下がみられる。 5 日中に耐え難い眠気が生じる。 |
2017年(平成29年)4月現在、経済連携協定(Economic Partnership Agreement)に基づく介護福祉士候補等の受け入れに関する次の記述のうち、 |
正しいものを1つ選びなさい。 |
1 介護福祉士候補者の受け入れは、2002年度(平成14年度)から始まった。 2 対象となる国は、東南アジア6カ国である。 3 介護福祉士候補者の受入れ施設用件は、常勤介護職員の2割以上が介護福祉士であることである。 4 介護福祉士候補者の在留期間は、3年である。 5 介護福祉士として介護業務に従事する限り、日本に在留できる。 |
社会福祉士及び介護福祉士法に関する次の記述のうち、 |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 介護に従事している者は、介護福祉士を名乗ることができる。 2 介護福祉士の業として、介護者に対する介護に関する指導が含まれる。 3 成年被後見人や被保佐人は、介護福祉士となることができる。 4 介護福祉士は信用失墜行為をした場合、罰則により1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる。 5 介護福祉士国家試験に合格した日から、介護福祉士を名乗ることができる。 |
介護における自立に向けた支援に関する記述として、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 機能回復訓練を中心に介護計画を作成する事 2 他社の支援を受けずに、自らの力で生活できる状態にすること 3 本人の意思よりも、介護者からみた自立を優先すること 4 介護を受けていても社会参加できるように支援すること 5 自分で着衣し終わるまで、何時間でも介護者が見守ること |
Hさん(75歳、女性)は、1か月前に介護老人福祉施設に入所した。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症として、左片ひだりかた麻痺まひがあり、認知症(dementia)と診断されている。看護師として長年勤め、退職時は看護部長であった。Hさんは日ごろから、介護福祉職に苦情を言い、周りの利用者とのトラブルも絶えない。特に日中の入浴に関しては、拒否が強く、「私は仕事があるから、夜に一人でお風呂に入りたい」という訴えが続いている。 |
介護福祉職のHさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 施設長から、特別扱いはできないことを説明してもらう。 2 夜の、居室での全身ぜんしん清拭せいしきに変更する。 3 Hさんの対応を、施設の看護職員に任せる。 4 家族から、既に退職していることを説明してもらう。 5 Hさんの働いていたころの話を詳しく聴く。 |
看護小規模多機能型居宅介護に関する記述のうち、 |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 居宅サービスに位置づけられている。 2 長期間の宿泊を目的としている。 3 管理者は医師とされている。 4 都道府県域でのサービス提供を行う。 5 看護と介護を一体的に提供する。 |
個人情報を使用するに当たり、本人や家族への説明と同意が不要となるケースとして、 |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 意識消失とけいれん発作を起こした利用者の個人情報を救急隊員に提供する場合 2 指定介護事業者が、サービス転倒者会議に利用者の個人情報を提供する場合 3 行事で撮影した利用者の顔写真を、施設の広報誌に使用する場合 4 転居先の施設の求めに応じて、利用者の個人情報を提供する場合 5 実習生が、利用者の個人情報を閲覧する場合 |
介護老人福祉施設における防災対策に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 消防法において、年1回以上の消化・避難訓練が義務づけられている。 2 大規模災害時には、災害派遣医療チーム(DMAT)の活動拠点になることが義務づけられている。 3 災害対策基本法に基づき、避難行動要支援者名簿の作成が、施設長に義務づけられている。 4 避難訓練は、混乱が予想される夜間は避ける。 5 施設が作成する非常災害対策計画の内容は、職員間で十分に共有する。 |
一人暮らしの認知症高齢者のJさんが、一昨日、訪問販売で高価な寝具を購入して、家族が困惑している。この家族への介護福祉職の対応として、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 Jさんが他社と関わらないように助言する。 2 国民生活センターで、契約を解除してもらうように伝える。 3 施設入所を勧めて、消費者被害を繰り返さないようにする。 4 クーリング・オフ制度を利用して、契約を解除できることを伝える。 5 自己破産制度を活用して、自己破産を勧める。 |
「育児・介護休業法」に基づく、休業や休暇などの取得に関する次の記述のうち、 |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 育児休業期間は、子が満3歳になるまでである。 2 子の小学校就学前までは短時間勤務制度を活用できる。 3 子が病気等をしたときは。3歳までに年10日間の看護休暇を取得できる。 4 要介護状態にある家族の通院の付添いをするときは、介護休暇を取得できる。 5 介護休業とは、2か月以上要介護状態が続いている家族を介護するためのものである。 (注)「育児・介護休業法」とは「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」のことである。 |
「ストレスチェック制度」に関する次の記述のうち、 |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 ストレスチェックは会社の上司が実施する。 2 ストレスチェックは、労働者数30人以上の事業者に義務づけられている。 3 労働者のメンタルヘルス不調の未然防止が主な目的である。 4 実施した結果は、事業者から労働者に対して通知することが義務づけられている。 5 各事業所で2年に一度実施することが規定されている。 (注)「ストレスチェック制度」とは、労働安全衛生法で定める「労働者に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査及びその結果に基づく面接指導の実施等を事業者に義務づける制度」のことである。 |
福祉関係三審議会合同企画分科会が提出した今後の社会福祉のあり方について(意見具申)(1989年(平成元年)3月)の内容で,介護保険法の理念・仕組み等につながる事項として, |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 社会福祉事業に対する規制強化 2 市町村の役割重視 3 施設福祉サービスの法定化 4 就労支援策の創設 5 福祉文化の創造 (注)福祉関係三審議会合同企画分科会の三審議会とは,中央社会福祉審議会,身体障害者福祉審議会,中央児童福祉審議会のことである。 |
高齢者虐待調査結果に関する次の記述のうち, |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 被虐待高齢者と虐待を行った養護者(虐待者)との同居・別居の状況は,虐待者とのみ同居が最も多い。 2 被虐待高齢者からみた虐待を行った養護者(虐待者)の続柄は,夫が最も多い。 3 被虐待高齢者と虐待を行った養護者(虐待者 ・家族形態は,子夫婦と同居が最も多い。 4 養介護施設従事者等による虐待についての相談・通報者は,家族・親族が最も多い。 5 養介護施設従事者等による虐待の事実が認められた施設・事業所の種別は,「有料老人ホーム」が最も多い。 (注)高齢者虐待調査結果とは,2014年度(平成26年度)高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果(厚生労働省)のことである。 |
利用者の生活の質(QOL)を高めるための介護福祉職のあり方として, |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 ADL (Activities of Daily Living : 日常生活動作)の維持・向上を最優先にする。 2 どの利用者に対しても同じ方法で介護する。 3 利用者の精神的側面は考慮しなくてもよい。 4 終末期の介護では,利用者の私物は早めに処分する。 5 利用者のニーズや生活環境を総合的にみて,介護の方針を検討する。 |
Fさん(80歳,男性)は,パーキンソン病(Parkinson, disease)である。不安定ではあるが,歩行ができる。振戦があり,長い時間座位を保つことが難しい。 |
Fさんに対する介護福祉職のリスクマネジメントとして,最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 歩行を始めるときは,リズムをとれるように一声かける。 2 移動はいつも車いすを使い,ベルトで体を固定する。 3 お茶は湯飲みにたっぷり注いで出す。 4 浴槽につかっている間は,浴室から離れる。 5 いすから立ち上がるときは,顎を前に出して,体幹を伸展させる。 |
リハビリテーションに関する次の記述のうち, |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 障害が固定してから開始する訓練のことである。 2 福祉用具を使用せずに,身体的自立を目指すことである。 3 リハビリテーションには,名誉の回復の意味がある。 4 レクリエーションとリハビリテーションは,対極の概念である。 5 施設サービスに限定されている。 |
災害時,避難所での高齢者への介護福祉職の対応として, |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 疲労防止のために,日中も臥床して過ごすように勧める。 2 避難所内の調和を乱さないように、個よりも全体に配慮する。 3 杖で歩行している人も,避難所内では車いすを使ってもらう。 4 トイレの数が確保できないので,水分を控えるように助言する。 5 深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)(いわゆるエコノミークラス症候群)の予防のために,運動をすることを勧める。 |
ユニット型指定地域密着型介護老人福祉施設に関する次の記述のうち, |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 家族や友人などが,気軽に宿泊できるように配慮する。 2 昼間は, 2ユニットごとに常勤1名の介護職員を配置する。 3 食事は,施設が決めた時間内に食べ終わるように介護する。 4 利用者数は,災害などの事情があっても,定員数以内とする。 5 多様な娯楽設備を備えて,外出しなくても施設内で生活を完結できるようにする。 |
指定認知症対応型通所介護のサービスに関する次の記述のうち, |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 利用者は,65歳以上で認知症(dementia)のあるものに限られる。 2 家族が送迎を行うことが原則である。 3 認知症対応型通所介護計画は,精神科医が作成する。 4 利用者は,原則として事業所のある市町村の住民である。 5 サービス提供時間は,8時間を上限とする。 |
身体拘束ゼロヘの手引き(2001年(平成13年)厚生労働省)の身体拘束の内容に関する次の記述のうち, |
適切なものを1つ選びなさい。 |
1 自分で降りられないように,ベッドの四方を柵で囲むことは,禁止行為とされている。 2 切迫性と非代替性と永続性の3つの要件を満たせば,身体拘束は認められる。 3 本人の同意なく,やむを得ずおむつを着用させることは,禁止行為とされている。 4 事前に利用者や家族に説明があれば,実際に身体拘束を行うときの説明手続きは省略できる。 5 やむを得ず身体拘束をした場合は,そのたびに保険者に報告する義務がある。 |
介護福祉職の腰痛予防に関する次の記述のうち, |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 介護中の姿勢は中腰を基本とする。 2 1年ごとに定期健診を受ける。 3 勤務時間内は,全員が一律にコルセットを着用する。 4 静的ストレッチングが効果的である。 5 移乗や移動の支援は,利用者を抱えて行う。 |
2013年(平成25年)の「国民生活基礎調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち、2004年(平成16年)と2013年(平成25年)の65歳以上のいる世帯について、 |
正しいものを1つ選びなさい。 |
1 65歳以上の者のいる世帯は、どちらも全世帯の6割を超えている。 2 「親と未婚の子のみの世帯」は、2013年(平成25年は2004年(平成16年)に比べて減少している。 3 「夫婦のみの世帯」は、2013年(平成25年)は2004年(平成16年)に比べて減少している。 4 「単独世帯」は、2013年(平成25年)は2004年(平成16年)に比べ増加している。 5 「三世代世帯」は、どちらも65歳以上の者のいる世帯の3割を超えている。 |
社会福祉士及び介護福祉士法に基づいて、介護福祉士に課せられている誠実義務に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 常に担当する利用者の立場に立って業務を行う。 2 国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図る。 3 利用者を心身共に健やかに育成する責任を負う。 4 利用者の心身の健康の保持のために必要な措置を講じる。 5 利用者が安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与する。 |
Fさん(82歳、男性)は、脳梗塞の後遺症による右片麻痺と運動性失語の状態で、介護老人福祉施設へ入所した。自分の意思は、顔の表情やうなずきなどの動作や左手を使って伝えることができる。2時間ほどは車いすで座位を保つことができる。食事の際は、自分でご飯やおかずをスプーンに乗せたり汁物を口に運んで食べることはできる。 |
食事場面における介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 食事を居室のベッド上でとるように促す。 2 メニューの説明は不要である。 3 左手で食べたいものを示すように促す。 4 ご飯とおかずを混ぜてスプーンに乗せて口に運ぶ。 5 好みの食べ物は最後に食べるように促す。 |
利用者の自己決定に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 支援者は、利用者の自己決定に対する働きかけを行ってはならない。 2 援助を受けている利用者は、自己決定をおこなうことができない。 3 判断能力が低い利用者の場合、家族の意向を優先して決定する。 4 利用者はエンパワメントアプローチをされることで、自己決定能力が高まる。 5 自己決定には、責任能力の有無が条件となる。 |
リハビリテーションの理念を表す用語として、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 機能回復訓練 2 就労移行支援 3 全人間的復権 4 地域定着支援 5 特別支援教育 |
利用者がその人らしい生活を実現されるように、介護福祉職が把握すべき情報として、 |
最も優先度が高いものを1つ選びなさい。 |
1 利用者の所有する不動産の種類や価値 2 改訂長谷川式簡易知能評価スケールの得点 3 既往症 4 最近一年間の体重変化 5 これまでの生活環境と生活習慣 |
障害者の年金、手当、扶助に関する次の記述のうち、 |
正しいものを1つ選びなさい。 |
1 障害基礎年金の障害等級は、1級と2級である。 2 障害基礎年金と老齢厚生年金は、併給できない。 3 障害基礎年金は、全額が生活保護の収入認定の対象外となる。 4 特別障害者手当は、市町村の条例によって実施される。 5 2013年(平成25年)の生活保護基準の見直しに伴って、障害者加算が廃止された。 |
通所介護(デイサービス)に関する次の記述のうち、 |
正しいものを1つ選びなさい。 |
1 事業者による非常災害対策訓練の実施は、任意である。 2 事業者は、正当な理由なくサービスの提供を拒んではならない。 3 サービスの内容等を記載した通所介護計画の作成は、任意である。 4 短期入所生活介護と訪問介護(ホームヘルプサービス)を組み合させなければならない。 5 日常生活の自立を助けるために、専門職による理学療法や作業療法を行わなければならない。 |
サービス担当者会議に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 サービス提供者の実践力の向上を主な目的とする。 2 利用者とその家族の参加を基本とする。 3 市町村社会福祉協議会が主催する。 4 市町村の会議室で開催することが望ましい。 5 利用者を匿名にして議論する。 |
介護老人福祉施設に入所後、すぐに退所したいと訴える利用者への介護福祉職の対応として、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 精神安定を図るために、利用者に精神安定剤を服薬してもらう。 2 利用者の思いを最優先に考えて、退所の手続きをする。 3 利用者に退所を思い直してもらうために、家族は介護する意思がないと伝える。 4 利用者の今の思いを受け止めて、その発言の背景を確認する。 5 気分を変えてもらうために、利用者をテレビの前に案内する。 |
施設での介護の在り方に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 利用者の羞恥心に配慮した介護を行う。 2 親しみを込めて、利用者を愛称で呼ぶ。 3 多床室では、介護職の目が行き届くように、カーテンは開けておく。 4 入室するときは、日常的なことなので、ノックや声かけをしなくてもよい。 5 医師から利用者に関する情報の提供を求められても、それがどんな理由であっても応じないようにする。 |
次のマークが示す内容として、 |
正しいものを1つ選びなさい。 |
1 国に登録された第三者承認機関によって、品質が保証された製品である。 2 身体拘束ゼロに役立つ製品である。 3 介護福祉士が医療的ケアを行うための製品である。 4 介護保険制度において、利用者の経済的負担がない製品である。 5 福祉用具・介護ロボット実用化支援事業で、普及啓発の対象となる製品である。 |
リスクマネジメントに関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 細心の準備をすれば、事故は起こらない。 2 小さな介護事故は、個人で対応する。 3 介護事故の報告を済ませたら、その後の対応は組織の代表者に一任すればよい。 4 介護業務に慣れると事故は起こらない。 5 ヒヤリ・ハット事例の収集・分析が、事故を防ぐことにつながる。 |
感染対策に関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 下痢・嘔吐が続く介護福祉職は、マスクして業務を行う。 2 汚れが目に見える場所を消毒することが、感染症予防に有効である。 3 モップを使う床掃除の場合は、乾いたモップで汚れを拭き取る。 4 手袋を着用していれば、排泄物や嘔吐物を触った後の手洗いを省略してもよい。 5 固形石鹸(こけいせっけん)よりも液体石鹸(えきたいせっけん)のほうが望ましい。 |
労働安全衛生法に定められている内容に関する記述のうち、 |
正しいものを1つ選びなさい。 |
1 労働災害の防止に関する措置への労働者の協力 2 労働者の介護休業 3 女性労働者の婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止 4 常時20名以上の労働者を使用する事業場の衛生委員会の設置 5 労働者の1日の法定労働時間 |
ストレスマネジメントに関する次の記述のうち、 |
最も適切なものを1つ選びなさい。 |
1 仕事に没頭することでストレスを忘れるようにする。 2 自分はストレスを感じることがないと考える。 3 悩みは他人に相談せずに、自分で解決しようとする。 4 困難な現実からは目をそらして、自己を正当化する。 5 自分に合った適切な対処法を持つ。 |