介護場面における利用者・家族とのコミュニケーション(過去問=試験対策)

○イーガン(Eagan.J)は、共感の技法を第一次共感及び第二次共感というレベルに分けた。

○第一次共感は基本的共感ともいわれ、相手の話をよく聴き、その話を理解し、話に含まれている思いを受け止め、内容の理解と思いをこちらの言葉に変えて応答する技法である。

○第二次共感は深い共感ともいわれ、第一次共感よりもさらに進んで、相手が表出していない心のなかに込められた思いも含めて応答する技法である。

○納得と同意を得る方法として「明確化」の技法があるが、まとまりのつかない場合に「たしかなことかどうか」を尋ねる技法である。

○納得と同意を得る方法として「焦点化」の技法があるが、利用者の話す内容を受け止め、介護者が自分のなかで理解し、まとめたうえで、全体として利用者に戻すことである。

○納得と同意を得る方法として「要約」の技法があるが、会話の内容、それが意図していることの意味、感情や思いの内容などを総合的にまとめ利用者に伝える技法のことである。

○納得と同意を得る方法として「総合的な直面化」の技法があるが、相手が自分の行動や行動がもたらす影響について、今よりも深くとらえられるようなきっかけを設けることである。

○質問の種類には「閉じられた質問」「開かれた質問」「重複する質問」「矢継ぎ早の質問」「なぜ?の質問」、「評価的な質問」「遠まわしの批判となる質問」などがある。

○「閉じられた質問」とは、「はい」または「いいえ」で答えられる質問のことである。閉じられた質問の欠点としては、この質問を多用することで利用者の意向を制限してしまうことです。

○「開かれた質問」とは、相手に自由を認め、相手が自分自身の選択や決定による答えを見つけることを促すものである。

○「重複する質問」には二つの型があり、一つは「…ですか?それとも…ですか?」と尋ねるものである。もう一つの型は、二つの異なった質問を同時に尋ねるものである。

○「矢継ぎ早の質問」は、たくさんの質問を短時間に行う場合に用いられる。

○「なぜ?」の質問は対人援助の過程ではあまり用いられることがない。

○ケースワークの原則である「個別化」とは、援助者は偏見や先入観を排し、人間についての知識を広く深く身に付けることを通して、用者を個人として理解するということである。

○ケースワークの原則である「秘密保持」とは、援助者は利用者に関する秘密を守らなければならないということである。

○ケースワークの原則である「非審判的態度」とは、援助者は利用者を審判したり、批判してはいけないということである。

○ケースワークの原則である「意図的な感情の表出」とは、援助者は利用者がその感情を自由に表現できるように援助しなければいけないということである。

○ケースワークの原則である「受容」とは、援助者は利用者の道徳的批判や価値観を超えて、あるがままを受け入れるということである。

○ケースワークの原則である「自己決定」とは援助者は利用者の自分で決める権利を認識しなければならないということである。

○ケースワークの原則である「統制された情緒関与」とは、利用者が援助者から適切な反応を受けたいというニーズを前もって認識し理解しなければならないということである。

○バイステック(Biestek,F.)は、個別援助技術(ケースワーク)での援助原則としてよく知られて7原則を提唱したが、それは個別化、意図的な感情表出、統制された情緒関与、受容、非審判的態度、自己決定、秘密保持である。

○社会的サービスの利用支援においては、利用者が自己決定しやすいように情報を適切に提供する必要がある。

○個人の援助にあたっては、援助の計画のためにお互いで得た情報を職種間で交換し合う。

○個人の援助にあたっては、関係する他の専門機関に援助を依頼するために情報を伝える。

〇個人の援助にあたっては、記録を職場で行う時間がない時であっても、家に持ち帰ってはならない。

○個人の援助にあたっては、話し合いや記録で得た情報を他人に伝える時には、本人・家族の了解をとるべきである。

○運動性失語は、ことば数が少なく、たどたどしい話し方になり聞いて理解することは難しくなるので、短いことばでゆっくり聞いてみる。

○全失語では、言葉を使ったコミュニケーションは難しいため、身振りや絵を見せてコミュニケーションをとるほうがよい。

○重度の失語症のある人とのコミュニケーションでは、「はい」「いいえ」で答えることができるような質問をする。

〇言語障害は、大脳の左半球の病変によって起こることが多い。

○脳卒中による失語症者とのコミュニケーションでは、短い文でゆっくり話しかける。

○うまく話せない脳卒中の失語症者に対しては、イエス・ノーで答えられるように質問を工夫する。

○認知症の人へのコミュニケーションの基本は、「ゆっくり」「短く」「簡潔に」である。

○認知症の人へのコミュニケーションの基本として、横から話しかけるとパニックをおこすことがあるので、相手の視野に入ってから、穏やかに話しかけることが大切である。

○認知症の人へのコミュニケーションでは説得したり、指摘は「屈辱感」として残り、自尊心を傷つけてしまうので注意する。

○認知症の人へのコミュニケーションでは言語的・非言語的コミュニケーションを駆使する。

○見えてないはずのものが「見える」と訴える認知症の人には否定しないで受容する。

○抑うつ状態にある人には、励ましや批判をしないようにしたほうがよい。

○抑うつ状態にある人には、さりげない会話からコミュニケーションのきっかけをつかむことが大切である。

○統合失調症の人とのコミュニケーションでは、妄想の内容を詳しく聞いたりせず、聞き役に徹する。

○統合失調症の人とのコミュニケーションでは、会話が現実離れしていても、否定しないことが大切である。

○聴覚障害者とのコミュニケーション手段は、多くの場合手話が用いられるので介護従事者は手話を覚えることが望ましい。

○感覚訓練によって視覚・聴覚などの重複障害者は、触覚や運動感覚を使ってコミュニケーションを図ることができるようになる。

○読話とは、聴覚障害者に対して発話者の口唇周辺の動きから音声を推測する方法のことをいう。

○聴覚障害者の読話によるコミュニケーションでは、話し相手は逆光にならないような位置で話しかける。

○聴覚障害者の読話によるコミュニケーションでは、1~1.5m離れることが読話に最適の距離である。

○聴覚障害者の読話によるコミュニケーションでは、はっきりと普通に話してよい。

○聴覚障害者については手話による通常のコミュニケーションの場合も、問題の性質によっては筆談を併用するとよい。

○視覚的情報を利用できるロービジョンの人には、文字でのコミュニケーションができる人もいる。

〇点字は、視覚障害者のコミュニケーション手段であり、点字で書かれたものは左から右に読んでいく。

○相談者がカウンセラーに対して起こす感情を「転移」、カウンセラーが相談者に対して起こす感情を「逆転移」という。

〇コミュニケーションでの直面化の技法とは、相手の態度や話の内容で矛盾している点を指摘する方法である。

○構音障害のある利用者とのコミュニケーションでは開かれた質問を行う、聞き取れないところは再度言ってもらうなどの配慮が必要である。

介護場面における利用者・家族とのコミュニケーション勉強メモ

失語症

失語症とは、高次脳機能障害の1種であり、主には脳出血、脳梗塞などの脳血管障害によって脳の言語機能の中枢(言語野)が損傷されることにより、獲得した言語機能(「聞く」「話す」といった音声に関わる機能、「読む」「書く」といった文字に関わる機能)が障害された状態である。

失語症の種類

(1)ブローカ失語(運動性失語)
ブローカ野が損傷された場合、聞く能力よりも話す能力の低下が著しい傾向にあります。書く能力では、漢字よりひらがなの理解が難しくなります。 ブローカ野は手足を動かす運動野と近い位置にあるため、ほとんどの場合右半身まひを伴います。
(2)ウェルニッケ失語(感覚性失語)
ウェルニッケ野が損傷された場合で、話す能力よりも聞く能力が低下します。話し方は流暢ですが、辻褄の合わない発話だったり、錯語を交えて一方的に話したりするため、認知症や精神疾患と誤解されやすい種類の失語症です。
(3)失名詞失語
発話は流暢ですが、名詞の喚語困難が目立つ状態です。喚語困難は、言語中枢のいずれの部位が損傷を受けても起こりうる症状です。比較的軽度の失語症であり、日常会話には支障がない場合もあります。多くの場合、体のまひは伴いません。
(4)全失語
言語中枢が広範囲にわたり損傷を受けた場合で、もっとも重度の失語症です。全く話すことができなかったり、限られた同じ単語のみを繰り返す「残語(ざんご)」しか話せない状態が多くみられます。聞く能力の低下の程度には個人差がありますが、読み書きはほとんどできないことが多いようです。多くの場合、右半身まひを伴います。

共感

共感とは、コミュニケーション技法における基本的態度のひとつで、利用者の気持ちに寄り添い、利用者の体験したことや感じていることを共有し、理解しようとすることです。
第一次共感  基本的共感ともいわれ、話に含まれる感じ方、考え方、思いを受け止め、効き手側の言葉に変えて応答する技法
第二次共感  深い共感ともいわれ、表出されず心に込められた思いや行動の背景にある感情も含めて応答する技法

納得と同意を得る技法

明確化
相手の話しにまとまりがない場合などに、質問をするなどして確認し、内容をはっきりとさせる技法
言い換え
介護者側が別のよりわかりやすい言葉に言い換える技法
焦点化
相手との話の中から、介護者側が重要な点を見出して理解し、まとめたうえで相手に返す(フィードバックする)技法
要約
会話の内容、意味、感情などを総合的に理解し、要点をまとめて相手に伝える技法

開かれた質問(オープン・クエスチョン)

開かれた質問とは、質問された者が自由に答えることのできる質問法で、自由質問法、開放的な質問ともいう。

例としては、「どうしました?」「どのような症状ですか?」など。医療面接の最初に用いられることが多く、利点としては質問された患者が自分の考えを自分の言葉で話すため、回答者は満足感を得ることができる。欠点としては、質問された者が自由に答えてしまうため、話の収拾がつかなくなってしまう恐れがあり、冗長になることがある。

閉じられた質問(クローズド・クエスチョン)

質問された者が「はい」「いいえ」で答えることができる質問法を閉じた質問(または閉鎖的質問)という。従来の問診で多く用いられていた。

例としては、「歯が痛みますか?」「冷たい物がしみますか?」など。短時間で的確に情報を得ることができる反面、質問された者が受身となってしまい、回答者自身の考えを伝えづらくなる。

重複する質問

重複する質問」には、「赤と青のどちらが好きか」など、2つの選択肢を提示する質問と、「どこに住んでいますか、誰と住んでいますか」など、同時に2つの異なった質問を行うものがあります。
選択肢を示す質問は、閉じられた質問とほぼ同様で、答えを制限してしまいますが、答えを明確にする場合などは有効です。

バイスティックの7原則

個別化の原則
クライエントの抱える困難や問題は、どれだけ似たようなものであっても、人それぞれの問題であり「同じ問題は存在しない」とする考え方

意図的な感情表現の原則
クライエントの感情表現の自由を認める考え方。

統制された情緒関与の原則
ワーカー自身がクライエント自身の感情に呑み込まれないようにする考え方。

受容の原則
クライエントの考えは、そのクライエントの人生経験や必死の思考から来るものであり、クライエント自身の『個性』であるため「決して頭から否定せず、どうしてそういう考え方になるかを理解する」という考え方。

非審判的態度の原則
クライエントの行動や思考に対して「ワーカーは善悪を判じない」とする考え方。

自己決定の原則
「あくまでも自らの行動を決定するのはクライエント自身である」とする考え方。

秘密保持の原則
クライエントの個人的情報・プライバシーは絶対に他方にもらしてはならないとする考え方。

聴覚障害者のコミュニケーション手段

(1)口話
相手の口の動きを読み取って言葉を理解することを「読話」、自分でも声を出して言葉を伝えることを「口語」といいます。読話と口語を組み合わせたコミュニケーション方法が「口話」です。
(2)筆談
文字を書いてコミュニケーションを行う方法です。ペンや紙を使うものに限らず、手のひらに指で書いたり、空書きしたりする場合もこれに含まれます。専門家が行う「要約筆記」もあります。
(3)手話
手話と日本語は異なったコミュニケーション手段です。手話は「手指の動作」に加え「顔の動き」によって表現されます。手話は大きくわけて日本手話と日本語対応手話があります。
※聴覚障害者は、背中側から声をかけても気づくことが苦手な人もいます。横から声をかけたり、相手の顔の前で手を振ったりするようにします。その話をしている場にいたとしても、必要な情報は議事録、筆談、メモ、メールなどの文字情報でこまめに共有するようにしましょう。

統合失調症の人とのコミュニケーション

基本的なことは、

1 指示は具体的に
2 混乱させない
3 注意は論理的に
4 できるだけほめる などのことがあります。

認知症の方への上手な接し方

(1)ご本人のペースに合わせる
認知症の方は、ペースを乱されるとパニックに陥ってしまうことがあります。言葉や態度で急かしたり慌てさせたりせず、ゆっくりとご本人のペースに合わせましょう。また、話しかけるときは正面から近づき、ご高齢者の視野に入ってから声をかけて驚かせないようにします。
(2)分かりやすい言葉で簡潔に伝える
認知症の方は、一度に多くの話をすると理解できずに混乱してしまいます。「○○して、○○したら、○○しましょうか。」という言い方では分かりにくいため、「○○しましょうか。」「○○しましょうか。」…と短く区切って具体的に伝えます。また、「次はこうですよね」などと言葉を先取りせず、気長に待つことが大切です。
(3)言動ではなく気持ちに寄り添う
徘徊や妄想などの症状がある場合は、言動そのものではなくご本人の気持ちに寄り添ってみましょう。意味が分からない言動であっても、その方なりの理由があることが多いものです。常識を押しつけて説得するよりも、その言動の理由を見つけるよう努めて理解を示しましょう。
(4)「その人らしさ」を大切にする
「分からないこと」「できないこと」ばかりに目を向けず、「分かること」「できること」を探すことが重要です。時には好きなこと・得意なことをやっていただき、ご本人の自信に繋げていきましょう。また、人格否定するような命令口調や叱責は慎み、嫌な表情を見せないように注意します。
(5)スキンシップをはかる
不安や疎外感を感じやすい認知症の方は、冷たい態度に敏感です。「味方ですよ」という気持ちを込めて、手や肩などに優しく触れるスキンシップを心がけましょう。また、威圧感を与えないために、目線は同じ高さになるように合わせます。

うつ病の人とのコミュニケーション

(1)叱咤激励はしない。
(2)休養をとるように勧める。
(3)聞き上手になる。よく話を聞く。理解と共感を示す。
(4)会話の内容より、感情をくみ取る。
(5)「私はあなたの味方です。常にあなたに関心があります。」ということを伝える。
(6)病んでいる部分を指摘するのではなくて、健康な部分を評価する。

聴覚障害者のコミュニケーション

聴覚障害者のコミュニケーション方法には、手話、指文字、読話、補聴器、筆談などの方法があります。
(1)手話は、聴覚障害者の生活の中から生み出されてきた言語で、手や体の動きなどでコミュニケーションを取る方法です。同じ表現方法でも、表情や口形、位置や方向、強弱などで意味あいを持たせています。
(2)指文字は、50音をすべて指の動きで表現します。ただ、あまり多用すると読み取りが大変です。
(3)読話は、口の動きや、会話の前後関係から内容を類推する方法ですが、日本語の場合、同口形異音も多く、読話だけですべてを理解するのは困難です。
(4)筆談は、日本語の読み書きが充分できる聴覚障害者には有効な方法です。ただ、書くことだけでは細かいニュアンスが伝わりにくい面があります。
(5)補聴器は、残存聴力の活用からは有効な方法ですが、補聴器 をしたからといって、すべての言葉をはっきりと聞き分けられる訳ではないため、周囲の方々の協力が不可欠です。
身振り、空書といって空間に文字を書く方法などもあります。

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